・・・を見ました。内容は、最近やっととりあげられるようになった「累犯障害者」の実態とその支援について、ということで特に目新しいものではなかったのですが、印象に残ったのは「出所、もしくは釈放のあとの継続支援」の取材部分です。
自由の身になり、福祉の支援を整えてもらってからまず施設にはいって生活の安定をはかる知的障害者。でも、そこでめでたしめでたしではない。
施設の生活の中で職員と行き違いがあったり不満が出てきたり。そのたびに多くの支援者が実態を把握し仲裁する。本人の能力や希望に応じ、就労や完全自立への道筋を立てる。
支援は、ずっと続く。途中で「もういいだろう」と縁を切ることはしない、してはいけないのだそうです。
障害が重くても軽くても、それを持って生まれた人にはなんらかの形で一生の間、何かの、誰かの見守りが必要なのですね。親族でも施設・福祉制度でも。
自立自立というけれど、この社会で障害者達が出会うのは、自立を助ける法律や制度、組織、優しい人々ばかりではない。彼らを騙したり不当な扱いをしてストレスのはけ口にしようという悪意だってあちこちに待ち構えている。また、本人の判断力で解決できない問題がでてきたり、なんらかの誘惑に負けてしまったりということもあるかもしれない。
番組の中で支援者の方が、「強制や押し付けではない、本人が望む形の自立へ道をつけてあげたい」みたいなことを言っていました。
私は、Kの将来を一生懸命考えているつもりだけれど、K本人はどう思っているのだろう。彼が真に望む生活とはどんなものなのだろう。
それ以前に、彼は今の家族がいつかいなくなる日々など全く考えていないと思う。今の自分のままで、今の生活がも永遠に続くのが当たり前と思っていてもおかしくない。
今がいちばん幸せだというなら、そりゃずっと続けさせてやりたいよ。私だって、それができればいいのにと思うことがある。
でも、それはできない、とはっきりわかってしまう時がいつか絶対にやってくる。私にも彼にも。
その時に、優しく諭し導いてくれる「何か」「誰か」と出会えるように。お父さんとお母さんは頑張るよ。
※関連過去記事・・・ 「三歳児投げ落とし事件、続き・・知的障害者と犯罪 」
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