いつもの差し入れを手にまたまたＫの面会に行く。いくつか事務的なことの説明を受けながらＫの様子を観察するが、特に変わったところはない。表情も顔色もいいし、ひとまずは安心。
最近の様子を聞く。これもまた特に変化なし・・・でもなかった。
「このところ、日中の作業や活動に少しずつですが参加できるようになっています。」
これは意外な、そして嬉しい変化だ。入所時の目標は以下のような感じだった。
第一に「情緒の安定」、パニックや自傷が抑えられるようになること。
第二に「規則正しい団体生活に慣れること」。
第三に「日中活動に参加して生活にメリハリをつけること」。
第一、第二は入所後一年のうちにまあまあ達成されたと思われる。問題は三つ目だった。
食事や身支度等を済ませてからの日中はどうしてもダラダラ過ごしがち。自宅や通所であれば外に連れ出したり担当の職員さんが作業に付添ってくれたり、ということもできたが入所施設（ほとんどが重度）では人手不足ということもあり常態化は難しい。だから「可能な範囲で施設内の集団日中活動に参加させてください」とお願いしていた。
最近は創作等の活動に誘うとそれなりに参加し、すぐに自室に戻るということも少なくなった。（そう、あくまで少なくなっただけ） 利用者が集まるリビングルームで過ごす時間も増えているという。
それだけで充分感激しているのに、職員さんに指導されながら少しずつ自室の掃除や衣類の片付けもできるようになってきたというではないか。（これもあくまで少しずつ）
ゆっくりと、ではあるが親離れができているということだろうか。ひとりで生きていけないのなら上手に助けてもらえる人になってほしい、親としてせめてもの願いだった。
学校とか通所とか、環境が変わるとそこに慣れるのに数年かかる子だった。入所して１年半、まだ油断はできない。
また別れ際に私の手を握りなかなか離してくれなかったＫ。また一緒に外出できるようになったら散歩や外食に行こうね。お父さんと一緒にお家のお風呂に入ろうね。ゆっくりと言い聞かせて手をほどいた時にちょっとうるうるしてしまいました。
この記事へのコメント
Nori
Nori
利用者の方々は、新人の私から見ても普通？？？です！職員は❓？？です！新人なので、
ご家族の方とも、今後、コミュニケーションを取りたいと、思っています。
tomoko
面会等で話をするたびに職員の皆さんのご苦労が察せられます。自分が介助している時の大変さを覚えているのでなおさらです。
入所しても家族はまだまだ不安ですが、明るく接してくださる職員さんのお話で落ち着けます。Noriさんは新人さんとのことですが私と同世代ですね。ご苦労はあると思いますが、その日々の活動には本当に頭が下がります。ありがとうこざいます。