反省サプライズ

 Kが利用する入所施設でちょっとかしこまった行事があり、保護者会の役員も参加できると聞いて申し込んだ。利用者も参加するが同じ会場でも別室ということでバッティングも避けられる。

 行事も滞りなく終わり解散、という時にKの担当職員さんが「今なら会えますよ、どうしますか?」と声を掛けてきた。一瞬迷ったが最近は面会でも落ち着いているし問題ないかな、と考えて案内してもらう。

 「Kくん、元気だった?」と声を掛けて握手。一瞬驚いた、という顔をしたK。薄いブルーのワイシャツ紺色のセーター、黒スラックス、行事参加でいつもよりきりっとした服装が凛々しい。かっこいいね。汚さずにご飯が食べられたんだね。

 その後握手の手をほどこうとしたら・・・離してくれない。

 ちょっと慌てたが、とにかくぎっちり私の手を握ったままだ。「また会いに行くよ」「おみやげも持っていくよ」などと言っても力が緩まない。
 職員さんもなだめてくれてようやく離してくれた。外出の時に送って行く時も面会だけで別れる時も、最近は動揺する様子はなかったので意外だった。

 外出や面会はあらかじめ日時を連絡して職員さんも本人に予告したり持ち物を準備してくれたり、という予兆がある。しかし施設の行事という認識しかなかったところに私の姿を見てしまい、驚いたのだろう。不意打ちになってしまった、浅慮だった、ごめんなさい。

 正直、ちょっと切なくなった。施設の穏やかな日々の中にいる、平和に暮らしている、でも30年一緒に過ごした私達との生活はKの中にまだしっかりとある。
 幼い頃はどちらかといえば家族など意識しているのかさえよくわからない反応をしていたのに。

 職員さんに聞いたところでは、その後特に荒れたり不機嫌になることもなく普通に行動し施設に戻ったという。そういうところも成長かな、と思うことにする。

 慌てていたのでうっかりしてしまい、ものすごく後悔したこと。
 せっかくの「K君よそ行きコーデ」の写真を一枚も撮っていない!すごく似合っていたのに!
 後で施設に問い合わせて、行事記録写真に写っているか確認してもらいます。

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