施設入所へ 2 衣類

 施設に持っていくKの衣類を選んで整理する。親心としては全部しっかりした新品を持たせてやりたいが、新しい生活で戸惑わないように本人が着なれているものに新しい物を足すくらいがいいと聞いた。また、施設では大量の洗濯物が出て大型乾燥機も使われるから「高級ブランド品とかはやめた方がいいし、あまりに安物だとすぐダメになるよ。」と、先輩お母さんのアドバイス。  少し高価で丈夫で品質重視のものがベスト、…

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施設入所へ 1

 入所日が決定した。充分とも足りないともいえないくらいの期間に、気持ちの整理と様々な準備をしなければならない。  事前の準備について書かれた資料をもらう。衣類等の生活用品の他、保険証や療育手帳、健康診断書とコロナワクチンの接種証明書。入所直前にPCR検査をして陰性証明を受ける。 無症状だが証明書が欲しい、という場合のPCR検査は実費有料(これが結構なお値段)で予約制。かかりつけの療育病院…

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春先混乱

 春一番が吹き、日差しはやわらかく空気は生暖かくなる。私はこの季節があまり好きではない。  私は花粉に関しては現在に至るまでほぼノーダメージなので、そこではない。油断はできないと聞いたのでコロナ前からこの時期にマスクは付けているけれど。  Kの情緒不安定が続くからだ。眠りは浅くなり深夜に覚醒してトイレを出たり入ったり。昼夜関係なしに足音高く室内を駆け回り壁や床を手足で叩く。幼児ではない、…

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「入所の順番が近くなりました」

 支援員さんからメールが届く。これは「次ですよ」の意だ。  ずっとスタートラインで深呼吸しながら「いつでも来い」と体勢を整えていたが、とうとうスタートの号砲が鳴った。  いろいろ考えて決めた入所申し込みだし、覚悟もできていたはず・・・だった。「コロナ禍」という想定外の状況を除いては。  入所したって面会にも行けるし帰省すれば旅行にも行ける、という前提があった。入所したら会えない、それが…

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「父を焼く」を読む

 漫画「父を焼く」を書店で手に取ったのは、ちょっとドキッとするタイトルもさることながら作画を手掛けているのがあの「どんぐりの家」の山本おさむ氏だったから。原作は宮部喜光氏。「父を焼く」とは火葬の点火のことだ。  故郷で一人暮らしをしていた父が孤独死した、という知らせを受けて主人公は妻子とともに帰郷する。警察とのやり取り、ほとんど交流していない親類縁者への対応などに奔走するわけだが、とにかく…

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